NAGASAKIYA GEN’EMON PUBLISHING長崎屋源右衛門末裔出版
満州国と賀川豊彦 後編の表紙
刊行書籍

満州国と賀川豊彦 後編

江原秀敏 著

著者
江原秀敏
価格
2,970円(税込)
出版年月
2025年02月
ジャンル
歴史・宗教・思想
判型
B6
頁数
419頁
ISBN
9784909765628

この本について

前編は「賀川 死して十四年 キリスト 賀川の弟子武藤を動かし 結党する‼」 で終わった。 しかもキリストと武藤が夢で出会い その対話の半ばで終わっている。このようなキリストと武藤の出会いがどのようにして生じたのかは前編である程度書いたつもりである。この後編では前編で書き始めた最終章のディテールを書かねばならない。キリストが武藤に顕現した直接的な要因は、武藤が賀川からキリスト新聞創刊を託され、賀川が社長、武藤が専務兼主筆として 一九四六年にスタートし、創刊してから一貫して主筆を担ってきたことを評価された結果であろう。その影響が日本国民に行き渡り、あるいは知れ渡ったと思われる。キリストが声をかけた出来事とはそういうことであったのだろう。 武藤も自ら日本国の戦前から現代に至る反省点と課題を書いてきて「よく書いてきた」と自認するものがあったのだと思う。武藤は戦後を出発するにあたり戦前に 大日本帝国の官吏として満州に渡り法律の分野を専門領域としながらも満州国の経営にあたったことを悔いている。戦後独学で神学を学び一九四七年に早速日本キリスト教団補教師となったことに、よくそれが現れている。 しかし自らが七〇歳の古稀を迎える年に、まさか賀川ではなく、キリストが現れ、その命を受諾するか否かの選択の余地なく、「政治の浄化」更には「政治の中に我が名を入れよ!」と命じられ、政党を立て選挙戦に立つことになろうとは思いもしなかっただろう。武藤の周囲は思ったであろう「武藤は狂ったのではないか」と。日本キリスト教史上、キリストが特定の人物に降臨し、社会運動を指示するなどと言う事例は聞いたことがない。 武藤の夢でキリストが現れ、武藤にその使命を与えたことも洪秀全が神からの使命を受けて立つプロセスと似ている。そういう意味では、前編で書いてきた、朝鮮の東学党の創始者崔済愚とも似ているものを感じる。崔済愚は「後天開闢」の時代到来を唱え、「天主はすべての人の内にすむ」と述べ、「人間の尊厳と平等」を説いた。また、山中に祭壇を設け、天を祭り、戦いに備えるために、木剣を持って剣舞の修練に努めることを奨励した。武藤が出て行った戦場は政党を設立しての選挙戦であり、政治を清める戦いの場であったけれどもね。お父さんはこれらの先駆者との類似性を感じている。つまりは、真の神様に出会ったことがきっかけとなり、それらの人々の一生を左右したと言える。この度書いた賀川の後継者としての武藤富男の物語はそのような話だ。二〇二二年の参院選の金子道仁氏の当選にまで話は及んでいる。
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