
刊行書籍
続 水のはなし
板野肯三 著
- 著者
- 板野肯三
- 価格
- 2,530円(税込)
- 出版年月
- 2019年01月
- ジャンル
- 科学・材料・自然・生命
- 判型
- B6
- 頁数
- 299頁
- ISBN
- 9784909765062
この本について
前著「水のはなし」の続編であり、酸化還元電位を手掛かりに、水について、多くの実験と測定を元に、エッセイの形でまとめている。前著よりは、技術的な側面が強い。本書では、水をどういう風に動かせば、酸化還元電位が下がって行くのかということについて、うまくいかなかったことも含めて、いろいろなやり方が説明されている。酸化還元電位の時間変化の中に見られるパターンからは、ピンポイントで測定したデータよりは、興味深い水の挙動をみることができる。
水の値を一度測るだけでなく、時間の経過とともにどう変わるかを追う視点が本書の特色です。回転の向き、渦巻、異なる水の混合、塩水、電極の研磨などの登録キーワードから、測定の条件にも目が向けられていることが分かります。うまくいかなかった試みも含めて読むことで、実験が単純な成功談ではないことを知る手がかりになります。前著とあわせて、水という身近な物を丁寧に観察するとはどういうことかを考えられます。測定結果と、その意味についての著者の解釈を区別しながら読み進める自然科学エッセイです。
著者の問いを読む際には、観察や経験として記されたことと、そこから生まれた解釈を分けて考えると、問題意識を捉えやすくなります。身近な対象から大きな世界観へ考えを広げるのが、このエッセイの特徴です。答えを暗記するための読み物というより、読者が自身の経験と照らし合わせて問いを深めるための一冊として読めます。日常では見過ごしてしまう出来事に目を向け、何を知っていて何がまだ分からないのかを考える時間を持てることも、この題材の魅力です。自然や人間を理解するために、どのような見方を選ぶのかという問題が、読後にも残ります。
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